携帯電話を持つ方であれば、090、080、070といった番号の違いを耳にしたことがあるかもしれません。でも、これらの数字にどんな意味があるのかご存知でしょうか?
実際には、これらの番号にステータスの差があるわけではありません。単に、080の番号は比較的新しいものであるということがその違いです。
携帯電話の普及に伴い、090の番号だけでは十分な数を確保できなくなり、そこで新たに080番号が導入されました。この記事では、090番号が珍しいとされる理由や、080や070との違いについて、携帯電話番号の進化をたどりながら詳しく解説していきます。
携帯電話番号の変遷:090から080への移り変わり
1998年までの携帯電話番号は10桁でしたが、1999年に11桁に変更されました。このとき、初めて090で始まる携帯電話番号が導入されたのです。この変化は携帯電話の普及とともに非常に重要なものでした。
その後、携帯電話の需要が急速に増加し、2002年には新たに080の番号が割り当てられることになりました。2002年以降に新規契約を行った多くの人々は、080番号を持っています。このように、携帯電話番号は時代とともに変遷してきました。
090番号を持つ人々の年齢層について
080番号を持つ若い世代が多い中、090番号を持つ人たちの年齢層についても気になるところです。時折「おじさん世代」という表現が使われますが、それはある意味で当たっています。
ただし、090番号を持っているのが必ずしも中高年の男性ばかりというわけではありません。女性を含む中高年層全体がこの番号を使用しているケースが多いのです。特に「090-31××」のような番号を持つ人々は、携帯電話が普及し始めた初期の頃から使用している可能性が高いです。
「090-31××」の番号を持つ方々は、携帯電話が普及し始めた初期から利用している可能性が高いです。この背景には、携帯電話番号が10桁だった時代に遡る歴史があります。
当時、番号は「030」で始まり、初期の利用者は「030-1×××」という形の番号を持っていました。その後、新しい番号が順に割り当てられ、この10桁の番号が11桁に変更される際に「090-3123-」のように更新されました。
結果として、「090-31××」の番号を持つ方々は、大型の初期携帯電話を使用していた可能性が高く、年齢層が高いと見なされることが多いのです。
090番号の入手は難しいのか?
現在、090番号は希少とされており、新たに取得するのは容易ではありません。運が良ければ、誰かが解約した後の番号を取得することができますが、通常は半年程度の休止期間を経て再び利用可能になります。
この理由は、番号が直近まで使用されていた場合、前の持ち主の知人がその番号をまだ覚えており、誤って連絡をしてしまう可能性があるためです。このように、090番号を計画的に手に入れるのは難しく、時には以前の持ち主からの思わぬ連絡が入ることもあります。
特に「090-31××」のような番号は、長い歴史を持つため非常に希少であり、見つけること自体が難しい状況です。
携帯電話番号の変遷:070、060、020の導入
080番号が若者の間で一般的になった後、2013年からは070番号も携帯電話番号として利用されるようになりました。この番号は以前PHS専用でしたが、携帯電話用に再割り当てされたのです。また、2014年には、携帯電話とPHSの間で番号ポータビリティが可能となり、サービス間の移行が容易になりました。
これにより、070番号の利用が広がり、格安SIMなどでもよく使われるようになっています。楽天モバイルやUQモバイル、mineoなどの通信サービスでよく見られます。
今後、070番号の供給が不足する可能性があり、新たな番号体系として060番号の導入も準備されています。導入時期は未定ですが、既に調整が進められています。また、多目的に利用される020番号も拡大しており、060番号はかつてのPHS番号の名残として再び注目されています。
日本の電話番号:090、080、そして070、060、020の役割
最後に、日本における携帯電話やその他の番号について、それぞれの役割をまとめておきましょう。
- 090:携帯電話番号
- 080:携帯電話番号
- 070:携帯電話番号(PHSも含む)
- 060:一部がFMC(固定と携帯の融合サービス)に使用
- 050:IP電話番号
- 020:M2M(IoTデバイス向け)用途、以前はポケベル番号
- 010:国際電話のプリフィクス
060番号は固定電話と携帯電話の融合サービス(FMC)に、050番号はIP電話に、020番号はM2M通信に使用されています。010番号は国際電話の際の識別番号として使われています。
まとめ
090、080、070といった携帯電話番号には、利用開始時期による違いがあります。1999年に導入された090番号は、現在では希少であり、中高年層が多く利用しています。2002年から080番号が新たに割り当てられ、若年層に広く使われるようになりました。さらに、2013年からは070番号も携帯電話用に再利用され、格安SIMで一般的になっています。今後、070番号の枯渇に伴い、新たに060番号が導入される予定です。携帯電話番号の歴史と進化を知ることで、番号の背景が見えてきます。