2025年の春分の日はいつ?その意味、由来、主要な行事や習慣を紹介

教養・マナー

春分の日は、日本の伝統的な祝日の一つで、自然をたたえ、生物をいつくしむ日とされています。この日は、昼と夜の長さがほぼ同じになり、春の訪れを祝う重要な日とされています。

2025年の春分の日

2025年の春分の日は3月20日(木曜日)です。この日は国立天文台が前年の2月1日に発表する「暦要項」に基づいて決定されます。春分の日は毎年少しずつ日付が変動することがあり、これは地球の公転周期が365日と約6時間であるためです。そのため、春分の日は大体3月20日か21日の間で変動します。

春分の日の背景と由来

「春分」は、太陽が黄道上の春分点(黄経0度)を通過する日を指します。この日は、昼と夜の長さがほぼ同じになるため、季節の節目とされています(実際には、5~15分程度、差が生じることが多いようです)。
春分の日は「二十四節気」の一つで、これらは太陽の動きをもとに1年を24分割した中国の伝統的な暦に基づいています。春分は、自然に感謝し、春の到来を祝う日として古くから親しまれています。

春分の日の行事と習慣

墓参りと彼岸

春分の日には、多くの家庭で墓参りが行われます。この習慣は、春分の日がかつて「春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい)」と呼ばれていたことに由来します。
春季皇霊祭は、天皇や皇族の祖霊を祀るための儀式でしたが、1947年にGHQによって廃止され、現在では「春分の日」と改称されました。現在でも宮中祭祀は行われており、皇居の宮中三殿で天皇自らが斎行し、御告文(おつげぶみ)を奏上します。この日は歴代の天皇、皇族の御霊が祀られる皇霊殿にて「春季皇霊祭の儀」などの祭祀行事が行われ、テレビ中継されることもあるようです。

春分の日を中心とした一週間を「春の彼岸」と呼び、この期間に先祖供養を行う習慣があります。彼岸の期間中は、仏教の世界観においては、あの世(彼岸)とこの世(此岸)の距離が近くなるため、先祖への祈りが通じやすいとされています。春分の日を中心とした彼岸の期間には、多くの人が墓参りを行い、先祖に感謝の気持ちを伝える機会としています。

花見

春分の日が訪れる3月は、多くの地域で桜が満開になります。この時期には、多くの人が公園や寺院に集まり、桜の花見を楽しみます。花見は、日本の春の風物詩であり、家族や友人と一緒に桜の美しさを堪能するイベントです。桜の下でのピクニックや宴会も一般的で、春の到来を祝う楽しいひとときです。

旬の食材

春分の日には、春の旬の食材を楽しむ習慣もあります。菜の花、たけのこ、ふきのとうなどの春の山菜や、いちごや文旦などの果物が旬を迎えます。これらの食材を使った料理を楽しむことで、春の訪れを味覚でも感じることができます。例えば、菜の花のおひたしや、たけのこご飯、ふきのとうの天ぷらなどが人気です。

特別な法要

各地の仏教寺院では、春季彼岸会と呼ばれる特別な法要が行われ、多くの信者が参加します。彼岸会は、仏教の教えに基づいて行われる儀式であり、先祖供養や家族の絆を深めるための重要なイベントです。この期間中に寺院を訪れて、先祖に祈りを捧げることは、多くの日本人にとって大切な行事となっています。

春分の日の言葉や季語

春分の日に関連する言葉や季語には、「春分」、「彼岸」、「桜」、「菜の花」などがあります。これらの言葉は、春の季節感を表現するのに適しており、俳句や短歌などの詩歌にもよく使われます。

春分の日に楽しむ季節の食べ物

ぼたもち

春の彼岸には「ぼたもち」が欠かせません。この名前は春に咲く牡丹に由来しています。春分の日には「ぼたもち」、秋分の日には「おはぎ」を食べる習慣がありますが、実はこれらは同じ食べ物です。季節によって呼び名が変わるだけで、春には牡丹にちなんで「ぼたもち」、秋には萩にちなんで「おはぎ」と呼ばれます。また、かつては秋には新鮮な小豆を使って粒あんに、春には冬を越した小豆を使ってこしあんにするという説もあります。

桜餅

桜の季節には桜餅がぴったりです。桜の葉で包まれた桜餅は、春の風物詩にぴったりですね。その美しいピンク色とほんのりとした桜の香りが春の訪れを感じさせます。

桜餅は江戸時代に誕生したといわれており、現在では道明寺粉を使用した関西風の桜餅と、薄皮の生地を使用した関東風に大別されるようです。関西風にはもち米が使われ、ふっくらとした食感が楽しめる一方、関東風はしっとりした舌触りが特徴です。

赤飯

お赤飯(小豆飯)は、昔から邪気払いの効果があるとされています。小豆の赤い色が魔よけになると信じられており、お彼岸には赤飯をお供えする習慣があります。春分の日にもこの伝統を大切にし、多くの家庭で赤飯が作られます。

彼岸そば・彼岸うどん

春分の日の頃は、季節の変わり目なので体調を崩しやすい時期とされてきました。そのため、消化の良いそばやうどんを食べる習慣が根付き、「彼岸そば」や「彼岸うどん」と呼ばれるようになったようです。

精進料理

春分の日はお彼岸の期間でもあるため、精進料理を食べることも多いです。精進料理は、仏教の教えに基づいて、動物性の食品を使わずに作られる料理です。穀物、野菜、豆類を中心にした料理は手間がかかりますが、その過程も修行の一環とされています。春分の日に精進料理を作り、家族や友人と一緒に楽しむことで、食を通じて仏教の教えに触れることができます。

春の山菜

ふき

春の代表的な山菜であるふきは、赤みがかった太い茎が特徴です。その独特の風味が楽しめる食材として人気があります。

うど

うどは春の山菜の中でも特に人気があります。天ぷらや酢の物にして食べることが多く、その爽やかな味わいが春を感じさせます。

春分の日に見頃を迎える花

桃の花

春分の日の前後には、桃の花が見頃を迎えます。ピンクや白、赤など様々な色や形の花が楽しめる桃の花は、春の風物詩として多くの人々に親しまれています。

白木蓮と紫木蓮

春分の頃には白木蓮や紫木蓮が美しく咲き誇ります。白や紫の大きな花が特徴で、その洗練された美しさが人々を魅了します。

ソメイヨシノ

日本を象徴する花であるソメイヨシノも、春分の時期に全国で見頃を迎えます。その美しい花は春の訪れを告げる象徴とされ、多くの人々が花見を楽しむために集まります。

牡丹

「百花の王」とも称される牡丹は、春分の季節に華麗に咲き誇ります。その大きくて美しい花は短歌や絵画の題材としても愛され、古くから日本文化に深く根付いています。

「春分の候」の活用方法と季語

春分の候の正しい使用時期

「春分の候」という時候の挨拶は、春分を迎える二十四節気(にじゅうしせっき)の期間に使うのが適切です。具体的には、3月21日から次の節気である清明の前日まで(2025年では4月4日まで)に使用するのが一般的です。

春分の候を用いた挨拶文例

  • 春分の候、貴社の益々のご繁栄を心よりお祈り申し上げます。
  • 春分の候、皆様の健康とご多幸をお祈りしております。
  • 春分の候、いかがお過ごしでしょうか。

春分の日に関連する季語の解説

春分の日は、俳句などで用いられる季語としても知られています。春分や春分日は春の季節を象徴する言葉として、短い形式の中で季節感を表現するのに適しています。

春分の日を英語で言うと?

春分の日は英語で “Spring Equinox Day” または “Vernal Equinox Day” と表現されます。どちらの表現も春の昼と夜が等しい日を指し、春分の日を意味します。

春分の日と秋分の日の違い

秋分の日も春分の日と同様に、昼と夜の長さがおおよそ等しくなる日です。春分の日が春季皇霊祭に由来するのに対し、秋分の日は秋季皇霊祭が起源です。天文学的には、春分の日は太陽が黄経0度を通過し、秋分の日は黄経180度を通過するという違いがあります。また、食文化としては、春にはぼた餅、秋にはおはぎを供える習慣があります。

まとめ

春分の日は、自然をたたえ、生物をいつくしむ特別な日です。この日は、昼と夜の長さがほぼ同じになり、春の訪れを感じることができます。墓参りや彼岸の行事、旬の食材を楽しむことで、先祖への感謝と自然の恵みを再認識することができます。桜餅やぼたもち、春の山菜など、伝統的な食べ物を通じて、日本の豊かな文化を味わいましょう。また、桜や桃の花などの美しい花々を鑑賞することで、春の息吹を感じることができます。春分の日には家族や友人と共に伝統を楽しみ、次世代へその価値を伝えることが大切です。このような日々の積み重ねが、未来の子どもたちに豊かな文化を継承する力となります。春分の日を通じて、自然と調和し、感謝の心を育んでいきましょう。

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